当院は、昭和37年に京浜臨海工業地帯にある企業の従業員住宅あるいは社宅を建設することを目的として造成された団地群を中心とした閑静な横浜南部地域に位置しています。 翌年、財団法人神奈川県団地住宅福祉協会が19床の汐見台診療所を開設したのが当院の前身です。その後、社団法人神奈川県医師会と県による公設民営として運営されてきましたが、平成18年4月に地方自治法の改正による指定管理者制度が適用され、改めて神奈川県医師会が指定管理者として指定を受けました。これに伴い、病院名を現在の「神奈川県立汐見台病院」に改称し、新たな運営体制となりました。
昭和55年に開放型病院として承認され、現在300名以上の診療所医師が登録されています。このような登録医制度は、病病あるいは病診連携を密にし、共同診療、入院紹介や検査の受託などを通して患者さまの前方および後方支援を円滑にする有効な手段であり、地域完結型医療の一端を担います。平成16年3月に「地域医療連携室」を開設し、平成18年からは在宅療養支援診療所の後方支援病院としてさらに効率の良いサービスが提供できるようになりました。
一方では自治体病院として政策医療にも力を注いでおり、内科、小児科、外科および産婦人科の救急医療を行い、横浜市の夜間救急二次救急輪番にも参加しています。年間800件を超える分娩件数は現在では重要な地域貢献のひとつとなっています。また、子どもの心のケアとして心理士による相談件数は年々増加する傾向にあります。さらに種々の公的健診事業を受託し、県内エイズ中心的受け入れ病院のひとつに指定されています。そして人工透析を含めた災害時医療も視野に入れています。
当院の大きな柱のひとつは「信頼される医療人の育成」です。現在では年間約2,500名の看護実習生を受け入れ、薬剤師に関しては薬学教育協議会関東地区整備機構より依頼された学生教育を行っています。この他に栄養士、理学療法士も実習を行っています。さらに平成16年度には神奈川県立病院群臨床研修プログラムの管理型病院(平成22年度からは基幹型病院)として初期臨床研修、平成19年度からは後期臨床研修医の教育施設になっています。
地域交流を通して住民との絆を深め、開かれた病院となることも社会的共有資産としての公的医療機関の使命と考えています。従来より実践してきた小学生の病院見学や高校生の一日看護体験、地域イベントへの参加、市民公開講座、ボランティアの受け入れなどを一層積極的に進めていく方針です。
私たち職員一同は、病院をあげて患者さまを中心とした安全で良質な医療を提供する努力を惜しまず、さらに開かれた病院づくりを推進します。
院長 栗原 英明