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老人保健施設での医師の働き方について
高齢化社会はすでに訪れており、少子化対策もままならない中、我が国の今後は高齢者で溢れる社会になることが決定的です。
医師の役割がさらに大きなものとなるわけですが、その需要は病院や診療所にとどまりません。
介護老人保健施設のニーズは爆発的に上がることになるでしょう。
老健施設は常勤の医師を設置する必要があります。
こうした施設が増えることで、そこで働く医師のニーズも増えることになるわけです。
医療ケアやリハビリなどを通し、できる限り在宅で療養できるような状態を目指すのが老健施設です。
高齢者が宿泊するための施設である特別養護老人ホームとは、この点で違いがあります。
医師が老健施設へと転職する場合、大半が施設長として招かれます。
入所者の健康を管理する役割や、治療に関わる指示などを出すことが施設長の医師の主な業務内容となります。
老人保健施設で求められる医師について
介護老人保健施設での医師の役割は、健康管理や療養計画及びそれを実行するための指示等と、医師であればそれほど難しいものではありません。
手術などを行うこともなければ、難病などとも向き合うこともまずないのです。
そんな中で、どのような医師が老健施設では求められるのでしょうか。
絶対的に必要なのは経験です。座学で得られる知識だけで、病気を抱えるお年寄りや要介護の高齢者を相手に健康管理等を行うことは、簡単ではありません。
また、コミュニケーション能力も求められます。そして、リーダーシップも欠かせません。
前者に関しては施設に入っている高齢者との接し方にも関わってきますが、後者とともに、その施設で働く看護師や介護士、理学療法士などの連携にも必要な能力となってきます。
老健施設で働く医師は施設長として、入所者に安心感を与えなければなりません。
また、全てのスタッフをチームとしてまとめ、早期に在宅療養できるようリハビリ等を計画し実行していくことも求められます。
そのためには、経験、コミュニケーション能力、リーダーシップ全てが欠かせない要素となるのです。
中堅〜ベテランの医師の需要が高い
上で示した要素や能力を持つ医師とはどのような人なのでしょうか。
中堅からベテランの医師、これが当てはまるでしょう。
老健施設で最も需要が高いのは、まさにベテランと呼べるような医師です。
普段接する入所者は高齢者ばかりのため、あまりにも若過ぎれば経験が足りず、入所者も不安になる恐れが出てきます。
スタッフをまとめなければならないことも考えれば、やはり最低でも中堅と呼べる程度の経験が必要になってくるでしょう。
内科などでの経験が豊富な医師の方が、より需要が高い傾向も見られます。
コミュニケーション能力に長けていることも多く、健康及び体調管理等に慣れていることがその理由です。
高齢者に寄り添う形での診察や接し方が求められますから、臨床現場でのそうした経験が豊富な医師のニーズがより高くなることは当然なのかもしれません。
転職サイトでも求人を探せる
転職先の選択肢として介護老人保健施設を視野に入れることは、医師にとってのキャリアを考えた際には有意義に働くでしょう。
問題は、その転職先をどう探すかという点です。
これは病院や診療所を探すのと同様に、転職サイトでも老健施設の求人を見つけることができます。
もちろん医師専用の転職サイトを利用した方が、より多くの求人と出会うことができるでしょう。
老健施設に焦点を絞り求人検索が可能な転職サイトも多々あります。
興味があるのであれば一度検索し、どのような条件や待遇で医師を求めているのかについてリサーチしてみてもいいのではないでしょうか。
求人数は多くなく、好条件の案件はすぐに埋まってしまう
医師求人サイト(医師専用のもの)を利用すれば、それ以外の求人サイトよりも老健施設の求人と多く出会えると述べましたが、これはあくまでもサイト間を比較した場合です。
病院や診療所などの求人数と比べれば、老健施設求人は圧倒的に少ないのが現状なのです。
にもかかわらず、老健施設で働くことを希望するベテラン医師は増加傾向にあるため、特に好条件・高待遇の案件は即座に枠が埋まってしまう現状もあります。
競争率は非常に高いので、もし条件の良い案件が見つかれば、問い合わせ程度は早めにしておくべきでしょう。
転職先を老健施設に絞っているのであれば、積極的に応募することをお勧めします。