目次
メディカルドクターとは・働き方について
近年、医師の転職先として注目度が高まってきているのが製薬会社です。
製薬会社で働く医師を「メディカルドクター」と表現しますが、この職の役割が重視されてきている点も見逃せません。
製薬会社の主な役割は、新薬の開発です。
それに関連した仕事を企業内で行うのがメディカルドクターです。
新薬の開発では、その過程で実際に人の体へと投与しその効果や副作用などのデータを取る治験を行いますが、この臨床開発の段階においてメディカルドクターは重要な役割を担います。
治験の実施に関するプランを立案し実施。
そこから得られるデータの収集や、それを元に評価や検証等を行い、厚生労働省からの承認を得るための書類作成もこのメディカルドクターが担うことがあります。
複数の部門に分かれている場合には、それぞれにメディカルドクターが存在し、それぞれが担当する業務を遂行することになるでしょう。
この点は製薬会社により異なってきますが、いずれにしても現在、そして今後の日本の新薬の開発には欠かせない存在となっているのです。
メディカルドクターに求められること
医師免許を取得していれば、誰でも製薬会社へと就職あるいは転職できメディカルドクターとなれるわけではありません。
一つの選択肢であり注目度も集まってはいますが、“求められるもの”を有していることが、この職に就くための条件となります。
メディカルドクターに求められる3つの要素
・30代後半から40代前半の人材が求められる
・リーダーシップ能力も必要
・英語力も必要
必ずというわけではありませんが、ほぼ全ての製薬会社でこうした要素を求められるため、それらを自らが持っているのかについて、まずはよく自己分析してみるといいでしょう。
30代後半から40代前半の人材が求められる
多くの製薬会社が求める人材は、主に30代の後半から40代前半に集中しています。
40代の半ば以降でも需要がないわけではありませんが、ある程度まで年齢がいくとそれなりの役職を用意する必要も生じるため、本人の意思等にもよりますが、受け入れる側としてはあまり積極的ではないようです。
そもそも製薬会社はまさしく、そのキャリアを求めています。
臨床経験がなければ臨床開発の作業に携わることは難しいため、少なくとも20代や30代前半のような若い医師にとってはかなり高いハードルとなるでしょう。
そうした若い世代であっても研究医の経験があるなど優秀な人材であれば可能性もなくはありませんが、採用の優先度は下がると思っておくべきです。
リーダーシップ能力も必要
多くのメディカルドクターは臨床開発部門でスタッフを抱えながら、治験等に臨むことになります。
臨床開発プランの作成から試験の実施まで任され、加えて部門内のスタッフを統括しなければなりません。
そこで必要になるのがリーダーシップです。
通常臨床現場から転職しメディカルドクターとなる医師は、それなりの役職で製薬会社に迎え入れられます。
新たに学ぶことは多いものの、使われる立場としての入職とはならず、逆に人を上手に使う立場となるのです。
また、プラン作成や治験の実施、評価などあらゆる業務を的確に遂行させなければいけません。自らの経験や知識、それらを活用しながら臨床開発のあらゆる作業をスタッフへと説明し正確に伝達するためにも、このリーダーシップ能力は欠かせないものとなります。
英語力も必要
日本には数多くの外資系製薬メーカーが存在しています。
医師が転職できる対象にはこうした外資系の企業もあり、可能な限り選択肢を広げるのであれば英語力も必須となるでしょう。
外資系製薬メーカーの場合、上司や共に働く研究者たちが外国人であることも少なくありません。
海外企業とのやりとりが求められるケースもありますし、海外からの視察及び研究などで訪れた人とコミュニケーションを交わさなければならない場面も出てくるでしょう。
また、メールや書類の作成も英語で行う必要にも迫られます。
そのようなメーカーや企業も視野に入れるとなれば、英語力は欠かせません。
転職サイトによってはメディカルドクターの求人もある
医師のための転職サイトに掲載されている求人の多くは、病院とクリニック・診療所です。
しかし、それだけではありません。メディカルドクターを目指している、あるいは興味を持っている医師のために製薬会社の求人も掲載されていることがあります。
全ての転職サイトで取り扱っているわけではないので、気になる医師専用転職サイトがあれば検索してみましょう。
検索条件の中に「製薬会社」や「製薬メーカー」といった項目のあるサイトも見つかるはずです。
メディカルドクターの求人は極端に数が少ないため、検索しても引っかからないケースもあるでしょう。
その場合は、転職サイトのコンサルタントへとコンタクトを取り、直接問い合わせてみるべきです。
非公開求人の中に製薬メーカーの求人が存在している可能性は高いため、メディカルドクターを募集している企業の有無を確認してみるといいでしょう。
まとめ
製薬会社で新薬の開発に携わるのがメディカルドクター
年齢・リーダーシップ力・英語力が重要
転職サイトによっては求人がある