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あなたは都市部・地方どちらに転職する?

転職において、改めて検討すべき重要な要素があります。都市部で働くのか、それとも地方で働くのかの選択です。
医療機関の選択も重要ですが、地域が異なれば医療機関の質や待遇などにも違いが出てくることが多く、それを重視しながら転職先を決めることも、医師にとっては無視できないこととなるでしょう。

都市部には都市部の、地方には地方の良さがあります。
ただ、すべてのメリットがすべての医師にとって有益であるとは限らず、特に重要視しないと感じる要素も人によっては出てくるかもしれません。

何はともあれ、働く地域により働き方や医師としてのキャリアにも影響が出てくるため、まずは都市部で働くメリットと地方で働くメリットを整理し、それを自らの性格、キャリア、将来像などと照らし合わせながら、どちらを中心に転職先を探していくのかについて考えるべきでしょう。

医師が都市部へ転職するメリット

都市部の特徴は、そもそも人口が多い点が挙げられます。
人口の多さは病院等の規模や経営・運営などに様々な影響をもたらし、それが医療機関で働く医師にも当然影響を及ぼすことになるわけです。

都市部で働く医師にとってのメリットは、主に以下の3点です。

求人数が多い
最新の医療に触れられる
家族が生活しやすい・交通の便が良い

こう並べてみただけでもメリットとして受け取れる要素が強いことは理解できるはずです。

では、この3つをさらに詳細に掘り下げ、都市部で働くことのメリットをより深く理解していきましょう。

求人数が多い

都市部の特徴の一つに、人口の多さを挙げました。人口が多ければ、そこにある医療機関の数は必然的に増え、規模も大きくなります。
となれば、医師を探し求める病院や診療所等も増加するため、医師求人数も自然と多くなります。

これが具体的に医師の転職にどう影響するのかですが、求人数が多ければ、それだけ選択肢が増えることになります。
転職先に妥協するケースが減り、より自分の望む待遇や環境の整った医療機関が選択肢の中に数多く入ってくるわけです。
また、仮に不採用が続いたとしても、都市部であれば選択肢が消えるという事態には陥りません。
次から次へと新たな求人が登場するため、求人が見つからず転職を先送りにするしかないといったこともないでしょう。

都市部で転職を目指している限り「転職ができず終い」という事態にはならないのです。

最新の医療に触れられる

高い医療技術やそれが発揮できる環境を有しているのは、常に都市部の医療機関です。
都市部の病院等は規模も大きいと説明しましたが、これはつまり、最新の医療環境を整えていることと同義なのです。

優秀な医師が集まりやすい点もメリットでしょう。
世界最高峰の医療技術を間近で観察できる機会など、地方にいてはそうそう訪れるものではありません。転職先によっては、そうした医師に直接指導を受けることも可能です。

また、都市部の病院には全国から患者が集まってくるため、様々な症例に触れることもできます。
研究所を構える病院も多く、最先端医療のみならず、非常に珍しい疾患などの診療にもあたれるため、腕を磨きたい医師にとってはこれ以上ない環境に身を置くことができるでしょう。

家族が生活しやすい・交通の便が良い

結婚していたりお子さんをお持ちの医師にとって、生活のしやすさは転職先決定に影響を与える要素となるはずです。
都市部であれば、生活に困ることはありません。
学校やスーパー、デパートなども多く存在しているでしょう。

交通の便もいいため、それも生活のしやすさをさらに向上させてくれます。
医師にとっては学会や研究会などにも足を運びやすくなり、そういった意味でもストレスのない生活を送ることができるのではないでしょうか。

医師が地方へ転職するメリット

日本では都市部と地方の格差が問題視されており、それは医療の面においても例外ではありません。
人口減少社会、及び少子高齢化社会へと突入した我が国において、地方の役割がより増してくることは間違い無いでしょう。

では、医師が地方で働くメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものとして、以下の3つを取り上げます。

医師不足の地域が多く福利厚生の充実が見込める
募集している枠が豊富
居住に関する費用が安い

これから詳細を説明していきますが、もし大きなメリットに感じる要素があれば、地方への転職も検討してみる価値が出てくるかもしれません。

医師不足の地域が多く福利厚生の充実が見込める

日本の地方の問題としてしばしば指摘されているのが医師不足です。
一見デメリットのように感じますが、しかし、医師の待遇面で見れば、これは大きなメリットでしょう。

医師の確保が課題となっている地方ですが、それを解消するためには、都市部から医師を流れ込ませる必要があります。
その手段で最も分かりやすいのが、報酬をはじめとした待遇の改善です。
すでにそれは始まっており、医師不足が顕著である地方では、都市部よりも高い年収を提示する求人が増えてきているのです。
福利厚生も充実してきているため、待遇を最優先事項として転職先を探している医師にとっては魅力的に映るでしょう。

募集している枠が豊富

医師不足に絡んで、地方では病院をはじめ、診療所や介護施設、企業などでも医師の存在が都市部と比べて重宝されている現状があります。
そのため、募集している枠が非常に豊富であり、選択肢が広いというメリットもあるのです。

都市部での選択肢の広さとは少々意味合いが異なります。
都市部では似たような案件で溢れていますが、地方では各診療科目や医療機関、施設など各分野で医師を探しており、都市部よりも高確率で採用されるため、これまでのキャリアとは異なる分野への挑戦も比較的しやすいのです。

居住に関する費用が安い

都市部ほどの生活のしやすさは地方にはないかもしれませんが、そのぶん物価が比較的安い点にメリットがあります。
特に年収額の低い若い医師にとって、これは大きな魅力となるのではないでしょうか。
結婚し子供がいれば、住居などに関する費用が安いことは、待遇の良さに匹敵するほどのメリットとなるでしょう。

将来独立するときのために預貯金を貯めておきたいなどと考えている医師にとっても、地方の物価や賃料の安さは魅力的に感じるはずです。