クリニックへの転職を考える医師も多い

医師の転職事情において、近年増加傾向にあるのが、クリニックや診療所への転職です。
そもそもクリニックや診療所の数が増えてきており、それに伴い求人数も増加する傾向が見られます。
これは一般の方、つまり患者側からのニーズが高まっている証拠でもあるのでしょう。

その影響で、病院勤めからクリニックや診療所で働きたいと考える医師も増えてきているのです。
なぜそのように考える医師が増えているのか、その理由についてはこの後説明していきますが、転職を考える際には病院のみならず、クリニックや診療所も選択肢に入れながら検討を始めるべきかもしれません。
これから解説する、「クリニックや診療所を転職先として選ぶ医師が増えている理由」に魅力を感じようであれば尚更でしょう。

当直やオンコールなしが多くQOLが向上

クリニックや診療所の最大の特徴は、診療時間が限られている点です。
入院施設があり救急患者を受け入れているところもありますが、そうした一部のクリニックを除き、多くは当直やオンコールなどがありません。
当直などに悩まされている医師は多いはず。それが転職を考えるきっかけとなっているのであれば、クリニックは選ぶ価値が出てくるでしょう。

これは医師自身の「Quality of life(QOL)」に関わってきます。
QOLの基準は人によって異なりますが、当直及びオンコールの続く職場でこれを高めることは困難です。
精神的に、あるいは肉体的にQOLの向上を求めるのであれば、クリニックは選択肢の一つとなるでしょう。

地域と密着する医療にやりがいを感じられる

有名なクリニックであれば、遠方から患者が訪ねてくるかもしれません。
しかし、それは大学病院など規模の大きな病院ほど顕著ではないでしょう。
多くのクリニックや診療所はその地域に根ざしており、いわゆる地域密着型で運営され患者と向き合っています。

大学病院のように多くの、あるいは多様な症例と向き合うことはできないかもしれませんが、患者一人ひとりと向き合うことで、心の通った診療ができるという利点がクリニックにはあります。
より強固な関係性を築くことにつながり、患者の健康や生に対して寄与している実感ややりがいを強く感じることができるはずです。

開業したい医師にとってもメリットが多い

近年、クリニックや診療所が増加傾向にある背景には、独立し自ら開業する医師が増えてきていることが要因としてあります。
現在は勤務医として働いている医師でも、将来的には開業を目指そうと考えている人もいるのではないでしょうか。
そのような意識があるのであれば、クリニックや診療所へと転職をすることに大きな意義が生じるはずです。

クリニックで働くことで、クリニックを開業する際に必要な知識を身に付けられる、これが最大のメリットです。
それに加えて、大学病院よりも報酬額が多く受け取れる医院が多く、それにより開業にかかる資金を貯めやすいというメリットもあります。

さらには、そこで患者との繋がりを築いておくことで、独立後に集患が比較的楽になることも考えられます。
診療に満足している患者は、その医師が新たなクリニックを開院したとなれば、そちらへと顔を出すようになるでしょう。
後々のための、こうした関係性を築くことも可能なのです。

クリニック全体を見渡すマネジメント力が身に付く

クリニックで働くことで、独立・開業する際に必要な知識が身に付けられると説明しましたが、ここではそれをさらに掘り下げていきます。

開業医になるには、医療に関する知識だけでは物足りません。
経営や運営、マネジメントやコミュニケーションなどに関する知識も必須となり、クリニックで働くことでそれに関する知識や経験を積むことが可能となります。

個人経営のクリニックがどのような形で運営されているのか、どのように患者を集め、そうした人たちをどのようにリピーターとして囲い込んでいるのか、そうしたことを大学病院で学ぶことは困難でしょう。
院長という立場になればスタッフの管理も行う必要が生じます。
雇われる立場から雇う立場になるわけですが、これらは全く異なるスキルが必要となるため、それを身に付けるために、まずはクリニックで雇われながら経験を積むことが重要になってくるわけです。

こうしたメリットを考えれば、クリニックや診療所への転職が有意義なものであることがわかるのではないでしょうか。